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患者様も、眼科医も、指導医もみんなハッピーな『白内障手術教育=カートンシステム』



  前述操作のC迄は同じです。ヒアルロン酸ナトリウムで前房を保持する代わりにPEAチップの灌流で前房を維持するやり方です。初級を卒業して、フットペダル操作に習熟した段階で試みて下さい。前房内の灌流水の状態が僅かに変わるだけで、前房内に『Karton−N』の粉塵が舞い上がりますので、意外とフットペダル装置の正確なコントロ−ルが困難なことがわかります。


 (但し、この練習は、両手両足の操作がキチンと出来る 中≪上級者向けです。ゲル化途中で誤ってBSSを灌流しますと、ゲル化途中のゲル化剤が流れ出ていき、チュ−ブ途中で詰まることがあります。フットペダル装置のコントロ−ルが正確に出来るレベルの人以外には勧めません。)

D  ' そのまま、PEAチップ先端を12時の位置、輪部切開創入り口付近で、角膜内皮直下に固定します。灌流ボトルは下げて、灌流量は前房がやっと維持できる程度、出来る限り少な目の灌流量を保持しておきます。助手は左右、どちらかのサイドポ−トから、@で用意しておいた鈍針付きディスポシリンジの鈍針先端を、エア−抜きした後、注意深く嚢内へ進入させていきます。

E  ' 鈍針先端を、嚢内赤道部から〜後嚢直上、12時〜3時か、3時〜6時の位置に軽く固定した後、助手は緩徐に『Karton−N』を嚢内に注入していきます。ちょうど後嚢上で、『Karton−N』が広がる様に、嚢内の水分を排除する気持で嚢内に満たしていきます。
『Karton−N』の注入早期から、『Karton−N』と水流が混和すると、柔らかい核ができます。固い円盤状の核を得るためのコツは、最後まで水流と混和しないことです。この操作はいささか練習を要しますが、何回も試行しているうちに、上手になってきます。助手と術者の呼吸が大切です。
『Karton−N』が理想的に嚢内に注入されているときは、後嚢上で輪紋状に綺麗に展開していくのがわかります。豚眼水晶体赤道部を満たした『Karton−N』は、そのうち、前嚢と虹彩下の細隙、更には、虹彩上にあふれ出てきますが、この直前で注入は止めておきます。
注入量が多い方が大きくてきれいな模擬核が得られますが、以降の回転や分割が困難になるため、過剰な注入は避けた方が賢明です。(1回注入量の目安は、最大0.5mmです。)

注意:この際も、注入に使用した鈍針は、抜去後、鈍針がゲル化剤でつまらないように通気して置いて下さい。

F ' 時には、注入と同時に、ゲル化していく『Karton−N』が、前房内で粉塵様に巻きあがる事がありますが、術者はPEAチップ先端の流水を上手にコントロ−ルして、余り余分な粉塵を巻き上げない様に気をつけて下さい。
嚢外へあふれてきた『Karton−N』はゲル化小片となっていますので、入念にPEAチップでそれらを吸引しながら、嚢内表面がゲル化していく事を確認して下さい。

G ' 『Karton−N』注入後、数分しますと注入された『Karton−N』は、表面が鏡餅のように堅くなってきています。この間、我慢して術者は前房中を同じ調子でゆっくりと灌流していて下さい。ここで焦りますと、ゲル化途中の試薬が、吸引チュ−ブに環流して行きチュ−ブが詰まる事となります。また、灌流装置のフットペダル操作がよくわかります。

' 暫くして、ゆっくりとPEAチップを前房から抜去し、すぐに、ヒアルロン酸ナトリウム等を前房中に注入置換し、前房を維持し、角膜内皮とゲル化剤が接触しないようにして、そのまま放置してゲル化させます。このあとは上記Gとおなじです。